大崎市鳴子の由来とは?
はじめに
宮城県最北端に位置する鳴子温泉は、古くから続く温泉地として知られています。鳴子温泉郷には、鳴子、東鳴子、川渡、中山平、鬼首の5つの温泉地が含まれ、多様な泉質と豊富な源泉数で日本有数の温泉地となっています。本記事では、鳴子の地名の由来とその豊かな歴史について詳しく紹介します。
参考…鳴子温泉郷観光協会公式サイト/宮城県大崎市鳴子温泉「千年の歴史を刻む湯の里、鳴子温泉郷。」
地名の由来と意味
鳴子という地名にはいくつかの由来があります。一つは、承和4年(837年)の潟山の大爆発により温泉が湧き出し、その際の轟音から「鳴動の湯」と名付けられ、後に「鳴声(なきごえ)」、「鳴号(なきごう)」、「鳴子(なるこ)」と変化したとする説です。
もう一つの説は、源義経が平泉を目指す途中で生まれた赤ん坊が、川底から湧き出る温泉に浸かると産声を上げたことから、「泣き子の里」、「なきこ」が「鳴子」になったという伝説です。これらの由来は、鳴子の名に込められた地域の歴史と自然の特徴を反映しています。
参考…公益財団法人日本交通公社「鳴子温泉 | 全国観光資源台帳」
鳴子の歴史
平安時代からの温泉地
鳴子温泉の発見は、平安時代の承和4年(837年)に遡ります。潟山の大爆発によって温泉が湧き出し、この地は「鳴郷の湯」と呼ばれるようになりました。この温泉は、江戸時代中期には湯治場として広まり、多くの人々に親しまれてきました。
源義経と鳴子の伝説
鎌倉時代には、源義経が兄頼朝に追われる中で鳴子を訪れたという伝説が残っています。義経の妻が鳴子で出産し、その子どもが温泉に浸かると産声を上げたことから「啼子(なきこ)」が転じて「鳴子」になったと言われています。この伝説は、鳴子温泉の地名の由来として広く知られています。
義経由来の温泉が現在でも鳴子温泉に残っています。
鳴子温泉 旅館 姥乃湯(源義経公ゆかりの湯)
〒989-6824 宮城県大崎市鳴子温泉河原湯65
電話番号:0229832314
鳴子の観光スポット
鳴子温泉郷
鳴子温泉郷は、環境省の国民保養温泉地に指定されており、ゆったりと安らげる温泉地です。各宿ごとに異なる泉質が楽しめるため、湯めぐりが一層の魅力となっています。四季折々の美しい自然風景も、訪れる人々を癒やしてくれます。
所在地:〒989-6822 宮城県大崎市鳴子温泉
鳴子こけしと鳴子漆器
鳴子温泉では、江戸時代後期に木地師たちがろくろを使って作製した「鳴子こけし」が広まりました。この伝統工芸品は今でもお土産や玩具として人気があります。また、木地技術とともに発展してきた「鳴子漆器」も有名で、美しい漆工芸品が多くの人々に愛されています。
義経伝説の名所
啼子之碑
鳴子温泉神社の鳥居脇に建つ「啼子之碑」には、義経の妻が鳴子で出産し、その子どもが温泉で産声を上げたという伝説が刻まれています。この碑は、鳴子の歴史と伝説を象徴する重要なスポットです。
啼子之碑(源義経公亀若丸君平泉落ちの初鳴き地)
所在地:〒989-6823 宮城県大崎市鳴子温泉湯元
星沼と星の湯
かつて鳴子の里には大きな沼があり、義経が「星の沼」と名付けました。この沼辺から立ち昇る湯けむりを「星の湯」と称し、現在も地名として残っています。
おくのほそ道と鳴子
鳴子温泉郷は、松尾芭蕉が『おくのほそ道』で鳴子から尿前を通る出羽街道中山越えを選んだことで知られています。芭蕉にちなんだ名所旧跡や古道が数多く残されており、歴史を感じる散策路としても人気です。
まとめ
宮城県大崎市鳴子の地名の由来とその歴史を紹介しました。鳴子温泉は、豊かな自然と伝統文化、歴史的な背景を持つ魅力的な地域です。源義経や松尾芭蕉にまつわる伝説や名所を訪れ、鳴子温泉の歴史と文化を体感してみてください。温泉に浸かりながら、美しい景色と歴史を楽しむ旅が待っています。
【大崎ニュースサイトへの想い】
故郷の大崎市に戻り、日本茶文化を中心に地域文化を愉しむ「日本文化サロン」を開くことを目指しています。地域文化を生活に取り入れることで、人生が豊かになり、自信を持つことができると考えているため、地域を再発見するローカルメディア「大崎ニュースサイト」の運営メンバーに参画しました。かつて茶道を学んでいた時期に、一度は文化の道を諦めましたが、多くの方々から応援の声をいただき再起を決意。ぜひ「みんなの日本茶サロン」もご覧ください。
【プロフィール】
宮城県大崎市出身。仙台の大学卒業後、500年の歴史を持つ京都の老舗和菓子屋に勤務。京都にて文人趣味や煎茶道、生け花、民俗画を学ぶ。その後、日本文化専門のマーケティング会社でブランディングPRを担当し、現在はフリーランスの茶人として、日本文化の普及とPRに取り組んでいます。茶を通じた日本文化の魅力を国内外に発信し続けています。
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